お知らせ

G7広島サミット パートナーズプログラムで蒔絵体験を実施しました!

2023年6月9日

広島サミットのパートナーズプログラムとして、5月21日に広島の縮景園・清風館にて、重要無形文化財「蒔絵」保持者(人間国宝)の室瀬和美先生を講師にお迎えし、文化庁主催の蒔絵体験を開催しました。体験にはホスト国の日本、ドイツ、英国、コモロ、韓国、ブラジル、インドネシアとEUから8名が参加し、日本の伝統文化に親しみました。

蒔絵とは、漆塗面に漆で下絵を描き、漆が乾かないうちに細かく削った金粉や銀粉を蒔いて模様を描く装飾技法のことで、日本で独自に発展し1200年もの間受け継がれてきました。
粉筒(ふんづつ)という、一方の先に目の細かい絹布を貼った竹などでできた筒に金粉を詰め、中指や薬指で筒の脇を軽くはじいて粉を蒔きます。弾く強さで微妙に蒔く量を調節します。見た目は簡単そうですが、適切な量を思った場所に蒔くのは経験が必要です。
蒔絵ができる表面に整えるまでには、漆塗りと磨きの工程を何度も繰り返します。漆が固まるのを待って次の工程に移るので、塗だけで1年ほどかかることがあります。蒔いた後も、金粉を固めるためにまた漆を塗り、研磨し、という工程を繰り返して作品を仕上げていきます。

パートナーズプログラムでは、室瀬先生から漆や蒔絵についての説明、室瀬智弥さんの実演のあと、参加者の皆さんには筒に金粉をつめて、黒漆の酒器に蒔く工程を体験してもらいました。
先生方が事前に酒器の内側に桜の花びらの模様を描いてくださいましたが、模様はそのままでははっきりと見えません。指導に従って参加者が金粉を蒔くと、黒い背景に金色の桜の花が浮かび上がり、皆さんが一瞬に笑顔になりました!初めての蒔絵体験でしたが、皆さん上手に桜を描いて出来栄えに満足そうでした。
酒器は仕上げたのち参加者の方々の手元にお渡しする予定です。日本を思い出しながら愛用していただけるよう願っています!